港区中古マンション市況ノート — 6月下旬の定点観測
6月21日から30日にかけて港区の売出在庫を定点観測した。価格改定を確認できたのは17住戸。値下げが13と優勢だが、内訳を見ると単純な軟化とは言い切れない。
今回の動き
6月下旬の10日間、港区の中古マンション売出在庫を定点で追った。価格の改定を確認できたのは17住戸。内訳は値下げが13、値上げが2、短期間に上下して元の水準へ戻ったものが2住戸だった。
値下げの幅は数百万円から9,000万円まで。率にすると2%台から17%で、中心は3〜7%の帯に集まっている。目を引くのは3億円を超える高額帯での調整だ。麻布・三田・白金エリアの大規模レジデンスで、まとまった値下げが相次いだ。一方で、希少性の高いヒルズ系レジデンスでは6%超の値上げ改定もあり、同じ港区の中で方向が割れている。
価格帯別の温度感
高額帯(3億円超)は調整局面にある。売り出しから時間が経過した住戸ほど下げ幅が大きく、強気の初値が市場の反応を受けて現実的な水準へ戻っていく過程に見える。5億円台で17%(9,000万円)の値下げという事例もあった。
1〜3億円の中価格帯は小幅な改定が中心で、2〜7%の下げがぱらぱらと続く。急いで売り切る動きではなく、反響を見ながら少しずつ刻む改定が多い。
新築の売主直売物件は、期分けや売出住戸の入れ替えに伴って価格が上下しており、中古の値下げとは性質が異なる。この動きを「値下がり」と読むのは早計で、分けて見る必要がある。
数字の読み方
値下げ件数が多いことは、それ自体では「相場が下がっている」ことを意味しない。港区の売出在庫は坪単価およそ390万円から3,500万円までと幅が広く、初値が強気であれば改定は必然的に起きる。見るべきは、値下げのあとに在庫が動く(掲載が終了する)かどうかだ。値下げしても動かない在庫が積み上がるなら軟化、値下げが成約につながっているなら健全な価格発見と読める。この点は次号以降、掲載終了の動きとあわせて追いかける。
なお、同一住戸が複数の業者から異なる価格で掲載されている例も観測された。一般媒介で複数社が扱う場合に起きる現象で、検討中の物件がある方は、提示されている価格が「どの時点の、誰の掲載か」を確認する価値がある。
出典: レインズ在庫情報(2026年6月21日〜30日取得・港区)をもとに独自集計。集計・解釈ベースで記載し、個別の物件情報は掲載していません。