HYPOTHESES
仮説ボード
予測を先に公開し、データで答え合わせを記録する。的中も外れも消さない。
各仮説の検証はインサイト記事で行い、結果をこのボードに反映していく。
- H1 的中 更新: 2026-07-25
値下げの主役は新築転売である —「プレミアム転売の降伏」
直近1ヶ月の値下げ幅上位は、竣工間もない大型プロジェクトの転売住戸に集中している。港区で起きているのは相場全体の下落ではなく、新築転売の値付け修正ではないか。
根拠: vol-005で判定。下げ幅では的中——新築転売の値下げ幅中央値6.6%は中古(3.6%)の2倍近く、5%超の大幅値下げの上位を転売が占めた(最大約13%・概算)。ただし件数では外れ——値下げ47戸のうち転売は7戸で、件数の主役は中古の約1,000万円刻みの調整だった。「大幅値下げの発生源は転売」という趣旨は確認できたため的中側に整理する。
検証方法: 毎週の価格改定を種別・築年帯別に分解し、値下げ率の分布を比較した。vol-005で初回の答え合わせを実施。判定は「幅では的中、件数では外れ」——趣旨(相場全体の下落ではなく転売の値付け修正が大幅下げを作る)が確認できたため的中とした。派生の発見(転売集中棟での値下げ連鎖)はH6として新規に立てた。
関連記事: VOL.5
- H2 外れ 更新: 2026-08-19
掲載更新の異常な多さは、売主の焦りのシグナルである
掲載情報の更新が平均の数倍の頻度で繰り返される住戸は、その後値下げに至る確率が高いのではないか。当たれば「更新頻度」は指値交渉の入口を示す先行指標になる。
根拠: vol-006で判定。外れ。基準期間30日の更新日数で分けた341住戸を次の30日追跡したところ、高頻度群(4日以上・96住戸)の値下げ発生率は29.2%で、低頻度群(3日以下・245住戸)の34.7%を下回った(比率差5.5ポイント・z=-0.98)。閾値を3日・5日・6日に振り直しても差の符号が定まらず、下げ幅の中央値も高頻度群3.8%と低頻度群4.8%で逆方向。更新頻度が測っていたのは売主の焦りではなく、同規格住戸が同時に売り出されている棟の在庫の厚さだった。
検証方法: 更新頻度上位群について、その後4週間の価格改定の発生率を全体平均と比較する。vol-006で実施(基準期間 2026-06-21〜07-20 / 追跡期間 07-21〜08-19、集計は2通りの独立実装で検算)。派生の観測として、追跡期間に一度も現れない住戸の割合が高頻度群8.6%・低頻度群34.8%と大きく開いたが、差分フィードでは更新の少ない住戸ほど再出現しにくいという定義上の偏りがあり、成約率の差とは読めない。この点はH6の検証とあわせて追う。
関連記事: VOL.6
- H3 検証中 更新: 2026-07-20
港区の中古は「3億スタート」の市場になった
港区の実需高級帯(50㎡以上)では、いま動いている住戸の最厚ゾーンが3億円超に移っている。「港区で1億円未満」は構造的に消滅しつつあるのではないか。
根拠: 期間中に動いた住戸の約4割が3億円超、1億円未満はわずか4%(独自集計・オーナーチェンジ除く)。
検証方法: 価格帯別の構成比を月次で定点観測する。月次フルデータの運用開始後は、更新ベースではなく在庫ベースでも確認する。
- H4 検証中 更新: 2026-07-20
同じ港区に「2つの市場」がある — 内陸と湾岸の二極
港区内のエリア平均坪単価には約2.5倍の開きがあり、内陸ハイエンドと湾岸バリューは値動きも流動性も別の市場として動いているのではないか。
根拠: エリア別平均坪単価は首位(約2,000万円)と港南・芝浦(約810万円)で約2.5倍の開き(vol-004・独自集計)。湾岸側は更新頻度も高く、動きが活発。
検証方法: 内陸と湾岸の平均坪単価の乖離幅と、それぞれの値下げ率・更新頻度を月次で追跡する。
関連記事: VOL.4
- H5 検証中 更新: 2026-07-20
三田ガーデンヒルズの重力 — 大量供給は周辺の見え方を歪める
竣工直後の大型プロジェクトの売出しが集中すると、エリアの平均値が実態から乖離し、周辺物件の値付け・交渉にも影響が及ぶのではないか。
根拠: 三田で期間中に動いた住戸の67%が三田ガーデンヒルズ系に集中し、エリア平均を約2,000万円/坪まで押し上げた。築2000年以前同士で比べると三田と青山はほぼ同額(vol-004・独自集計)。
検証方法: ガーデンヒルズ系を除いた三田の平均坪単価と、隣接エリア(麻布・芝)の価格改定動向を月次で追跡する。
関連記事: VOL.4
- H6 検証中 更新: 2026-08-19
転売の降伏は棟単位で連鎖する —「棟内競合」が価格を壊す
新築転売の売出しが1つの棟に集中すると、1戸の値下げが棟内の値付け基準を壊し、値下げが連鎖するのではないか。当たれば「棟内の転売集中度」は、買い手にとって指値余地の先行指標になる。
根拠: vol-005で港区・品川駅圏の竣工直後タワー1棟に転売の値下げ検知6戸が集中(幅は約3〜13%・概算)。同棟内では値上げも同時に検知され、同規格の売出し間で1割前後の価格差が観測された(独自集計)。vol-006の副産物として、掲載更新の頻度が高い住戸は同規格住戸が同時に売り出されている大型棟に偏ることを確認。同一の階・面積に複数業者の別々の売出しが並び、同規格で2割前後の価格差が同日に併存する例も観測している(独自集計)。
検証方法: 転売売出しが集中する棟を定点リスト化し、値下げの発生順序と幅を棟単位で追跡する。転売集中度(棟内の同時売出し数)と値下げ連鎖の有無の相関を見る。
数字はいずれも当方の独自集計(期間中に掲載・更新のあった住戸ベース)であり、生データは掲載していません。